スタニスラフスキー&表現について

スタニスラフスキー・システムについて

演技には想像力、感情コントロール、交流、読解力、表現力などが必要で、それを突き詰めると、脳科学、心理学、行動学、哲学などに関係します。だから、そこから始めるスタニスラフスキー・システム(スタシス)は最初は難解に感じます。
しかし実際には
「演技に必要な要素を小さく分解して吸収しやすくした練習」
なので、頭でっかちにならず上達が早いです。このページの後半に数時間で一気に演技が伸びた複数の動画を公開しています。それは演技だけでなく、スピーチ緊張をとることにも応用できる方法です。

よくある「役作りの方法」でも楽しいですが、「吸収しやすい練習」の方が成果を実感できるので段違いに楽しく、簡単に深い集中状態になれ、それはもうゾーンの入り口です。無理やり楽しくなろうとしてるのと、自然と楽しくなるのでは楽しさの質やレベルが違います。

スタシスは演技術の前に、潜在能力(集中力・想像力など)の邪魔をするものを取り、次に演技術(感情コントロール・キャラクター・読解力など)を伸ばす練習法です。

スタシスの重要な考え方は『否定を入れない』です。多くの人が無意識の内にやってしまっている才能を止める最大悪癖です。

少しの否定で、心(感情・モチベーション)も脳(想像力・集中力)も委縮→緊張→身構えるになるので徹底的に否定には気をつけます。訓練された俳優でも緊張状態になると簡単には取れないからです。

なのに、怒られ(委縮)・強制(自由を奪われ段取り演技になる)・ダメ出し(否定感)で緊張させられ、「緊張をとれ」「集中しろ」「自由になれ」と結果だけを求められ、プロセスを教えてもらえてないと思います。

スタニスラフスキーは「感性・演技観の間違った認識が演技が下手な理由の9割だ。練習で緊張を取り、意識的に自由になれると多くの人はもっと簡単に本能を使った演技ができる」と言います。

緊張について

緊張とはガクガク震えることだと思われてますが、その緊張は早い段階で取れます。
スタシスでは「ちゃんとやろう・成功しよう」という気付かないくらい小さいけれど、才能を左右する「小さな力み、マジメさ」から緊張として扱い対応しています。悪は表面化する前の芽から摘まないといけないのです。

「緊張をとる」「否定を入れない」が徹底的にできれば、他分野の芸術、日常生活全般も好転させる重要要素です。

本質的な演技練習とは感性から改善させること

脳科学や心理学など面倒くさいな~、と思いますよね。
日本にも名優はいますが、海外にはもっと凄い俳優がたくさんいます。それは脳科学などで「論理的に感性を導く練習」をしているからです。

浅いから分かりやすい、でも癖がついて伸びない一般的な表面的練習
本質的だから分かりにくい、でも感性全般から伸びるスタニスラフスキー

1年後、どちらが心が満たされ人間的成長につながり、良い演技をしてると思いますか?

表現について

演技の基本で重要要素の「表現」
その基本的な部分から認識違いしていて下手な演技になってる人が多いので分かりやすい例をお見せします。
以下の二人の歌を聴いて下さい。

スーザン・ボイル(5分35秒)
1分10秒から歌が始まります。 歌の上手さが分かれば全部見なくてもいいです。

アン・ハサウェイ(4分44秒)
アカデミー賞受賞。後半は特に圧巻です。

 両方ともミュージカル『レ・ミゼラブル』の『夢やぶれて』という歌ですが、まったく別物に聞こえます。歌唱力自体はスーザン・ボイルの方が圧倒的に上手く、アン・ハサウェイはそれほどでもありません。

二人の違いは、
スーザン・ボイルは技術で歌っていて、アン・ハサウェイは感情で歌っています。

僕はどっちの歌が好きかたくさんの人に聞いたら、ほぼ全員がアン・ハサウェイでした。つまり技術より感情の方が伝わるんです。

『夢やぶれて』というネガティブな歌詞を
スーザン・ボイルは朗々と表現し、
アン・ハサウェイは、
前半は抑えてた感情が漏れてしまった感じ、
後半は
抑えきれず吐き出してる感じです。

「表現しよう表現しよう」としていません。

ここで「表現」というものが
「表現しようとする表現」と「表現しようとしない表現」の二つのタイプに分けられます。

ミュージカルが嫌いという人の理由の多くは、急に歌ったり踊ったりと表現を押し付けられるからです。

僕もミュージカルは好きではないですが、映画『レ・ミゼラブル』『ラ・ラ・ランド』は別です。実生活では他人がいるとこで急に歌ったりしませんが、心の中で歌ってる時ってありますよね。そのような「歌いたい、踊りたい」という心の叫びが伝わったからです。

なぜ伝わったのか?
リアルな感情・リアルな表現・リアルな演出だからです。

実生活ではネガティブ感情は隠そうとするのがリアルな表現ですが、ミュージカルでは積極的に表現しようとします。それも表面的な嘘の感情を。

スーザン・ボイルが感情の準備無しでアン・ハサウェイのように感情表現をしようとしても、薄っぺら演技になるのが普通です。youtubeで他の人の『夢やぶれて』を見ても、ほとんどの人がそうなってます。
アン・ハサウェイの様な演技になるには、事前に下の動画のような練習でリアルで強い感情を出やすく準備する必要があります。

『ラ・ラ・ランド』ミアの感情を作る

「ラ・ラ・ランド」の作中でこのような感情を使う場面はありませんが、心底にある感情なら薄っぺら演技にならないためにアイゼでは準備します。こういう練習を嫌う人は表面的演技のままで、逆に必要性を感じてる人は一気に演技力がつきます。

めざす演技の練習になってますか?

「普通は隠したい感情も表現しようとする」「感情の準備をしない」ので、一般的なミュージカルは薄っぺらで説得力がなく、それが世界的にみてもミュージカル出身でストレートプレイ(いわゆる普通の演技スタイル)での名優が少ない理由です。つまりミュージカルや歌やダンスの世界で言ってる「感情」と、演技の世界で言ってる感情はまったく別物でレベルが違うんです。

歌やダンスの練習をしても演技は一切上達しないどころか、「綺麗に動く説明的な段取り演技」の癖がつき、感情を使いたくても使えない「型にはまった心身の状態」になってしまいます。

歌やダンスは演技に関係ないと書くと疑う人がたくさんいます。
ではマイケル・ジャクソンは演技が上手いですか? 答えは、すごく下手です。
逆にアカデミー賞を取る俳優でダンスの上手い人はどれくらいいますか? たぶんあまりいないと思います。

表現力とは、綺麗な声、歌、ダンス、動きではありません。まず感情を作って、それに合う表情、話し方、仕草を出来ることです。内面が外面に表れていることが表現力です。

ただ、日常では気持ちを全部外面に出すことはありません。表わしたくない感情を隠しながら漏れてしまった。これが日常の表現です。これを表そうとするとクサい演技になります。

人間の心は内面から外面につながるのが自然なので、演技でも内面から作るのが大事です。それを外面から作るとミュージカルのように内面が作りにくい状態になります。
※特別な練習では外面から内面は可能ですが非常に難しいです。

いろいろ書きましたが、別にスーザン・ボイル、ミュージカルが悪いと言ってるのではありません。僕もスーザン・ボイルや『ラ・ラ・ランド』で感動しましたから。ただ普通の演技とはジャンルが違うので、『表現』をよく認識しないと
アン・ハサウェイのような感情の演技に憧れて演技を始めたのに、
スーザン・ボイルのようになる表現技術の演技の練習をやってたりします。

ほとんどの養成所は感情や感性を教えられないので表現技術の演技の練習をしています。
感情の演技をしたい方、感受性・本能・感情の練習になってますか? 
頭でっかちにならない方法を教わってますか?
取ってつけたような感情表現になってませんか? それ、もっとも嫌われる演技ですよ。

表現とは何か? 感性とは何か? というのを理解してないと違う方向の練習をしても気付かないですよ。

この動画を観てください。

冒頭で
『演技に必要な要素を小さく分解して吸収しやすくした練習』なので、頭でっかちにならずに感受性を刺激されるので上達が早いと書きましたが、それがどういうものか分かると思います。

初心者がオンラインでアイゼ・アプローチを受講、2時間で激変
主婦が演技をしてみたいと言ったら娘に笑われた。だけど2時間後の演技は・・

8時間で癖をとりリアルな感情で演技する
下手くそと笑われ悔しかったから勇気を出して練習法を変えたら8時間でこうなった。
「何も感じてないのに感じてるフリ」の癖を6時間で取り、2時間で感情を作りました。

 

これらの動画の上達スピードは例外でなく、アイゼでは普通です。やりやすい効果的な練習だから数時間でこうなりました。もちろんレベルは違いますが、この演技はアン・ハサウェイのタイプの演技になります。正しい練習をすれば誰でもこのレベルの演技はできるんですよ!

この講座は、どういう演技の考え方を持てば数時間でこういう演技ができるかを解説する講座です。

当講座では上記の表現力の他に
「想像力は具体的にやると止まってしまう」
「集中しようとすると力んでしまう」
「感情の作り方、深め方」
「役作りの方法」
「日常での緊張の取り方」などの解説・実演練習をします。
内容のリクエストも受け付けています。

アイゼ・アプローチはアイゼ代表 伊藤の指導のもと、現在NHKでも演技指導に採用されています。
アイゼの他講座やHPの動画を観ていただけたら効果が分かると思います。

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